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男には、女をモノにしようとするときの常識というものがあります。 それはたとえば、「女を口説くのは押しの一手にかぎる」とか「一度体の関係をもってしまえばこっちのもの」、あるいは「ベッドでのテクニックさえ極めれば女は離れられない」などというのが、めんめんと男の世界に引き継がれてきています。 そして、それを裏書するような現実もないわけではありません。
★ たとえば、テレビドラマでのこんなシーンです。 二枚目半の男優が女を前にして「頼む、やらせてくれ」と頭を下げる。女はあきれ顔で「まったく、そういうことって、そんな言葉でいうものじゃないでしょ」といいながら、内心ではグッときている、というものです。 このドラマを見たある若い女性は、こんな感想をもらしたようです。 「あれ見てて、もし私だったらどうするかって考えたんだけど、言い方がいやらしくないんだよね。それに素直で気持ちがいい。私もグッときちゃうな」 これは二枚目半の俳優だからサマになるのでしょう。絵に描いたような二枚目の俳優がやったら、どこか滑稽になるでしょう。 似たようなケースにこんなのもあります。 ★ 女を連れてドライブに出かけた男が、横浜あたりの直線道路を走りながら、横に座っている女に「キスしたい。いまここで車を止めてしたい」といいました。 もちろん二人はまだそういう仲ではなかったから、女は「ダメよ」と答えました。「どうしてもしたい」と男。「ダメ」と女。すると男が突然こういいました。 「よし。もしキミがいますぐOKしてくれないのなら、ハンドルを離してキミに抱きつくから。死にたくなかったら、ハンドルをしっかり持ってろよ」。 女は「キャーッ」と悲鳴を上げながら、「させる、させる」。 これは押しの一手のようですが、現実にハンドルの手を離して、女に抱きつくはずがありません。女はそれを承知なのですが、「しょうがない人ね」という言い訳をつくってもらえたので、応じることができたのです。 まともに迫ったのでは、女が断るしかない場合に、このような状況設定をすることで、女に言い訳をつくってあげたのです。いわば男の気配りであり、女もそれを知ったからこそ応じたといえます。 つまり押しの一手に見えるけれど、女はそうは思っていないのです。 ★ 「頼む、やらせてくれ」に関しては、実際二人の間に体の関係がなくても、すでに精神的には、そういう態度をとれるだけの間柄になっていたのです。 二人でそれだけのものを築いてきたプロセスがあるからこそ、そのような態度に出られるのです。 それを誤解して「女は押しの一手である」とばかりに迫ると、たんなる「しつこい男」になってしまうのです。 「一度関係を持ってしまえば・・」というのも、性的関係が閉鎖的だった時代ならイザ知らず、いまではそんなこと女性は歯牙にもかけません。むしろ「寝てやった」という感覚です。性的テクニックでも、男のほうが先に音をあげるほど、女は強く、うまくなっています。
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