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人が密かに心の中に隠していることは、ちょっとした対話の中で暴露されてしまうことが往々にしてあります。 それは、自分の心の中で「これはまずいなあ」思っていることは常に気にしているものであり、相手のちょっとしたあいまいな言葉の問いかけによって、思わずポロリと、自分勝手な解釈で表面に出てしまうことがあります。
昔は、オレオレ詐欺などが流行りましたが、今ではもっと巧妙なトリックで高齢者の人が騙されて大金を詐取されていますね。
最近は 「所轄の警察署からきましたが、あなたの口座から不正に現金が引きだされたという銀行からの報告がありますので、一度、通帳と暗証番号の確認をさせてもらえないですか。詐欺にあっているかどうか確認させてください」 などと、高齢者の家を直接訪問して尋ねれば、だれだって相手が警察官の服装をしていたら、間違いないと思ってしまうでしょう。 警察官の制服は、警察官でない人が着用することは通常ありえないという、自分の思い込みによって信用してしまうのです。 これは服装によるトリックですが、言葉のトリックだっていっしょです。
「市役所の水道局のほうから参りました。健康に良い浄水器を普及するためにやってきました」と言って、高額な浄水器などを売りつける詐欺などもありますが、なぜ買ったのかと言えば、「市役所の水道局の職員が来たというので信用した」ということです。 でも、詐欺師は水道局の職員とはひと言も言っていません。 これはちょっとした言葉のトリックで、あくまで「水道局の方向から来た」と言っているのです。 このように、人はあいまいな言葉や音、図形などを見て、自分の心の中にあるものがそれら事物に投影されて自分なりに解釈しているのです。 もっと具体的に言えばバラの花を見て誰しも美しいと思うでしょうか、バラの花そのものに「美しさ」も「汚さ」もありません。 それを見て美しく感じるのは、自分の心の中にある「美」というものが、バラの花によって、投影されたものです。自分の心の中に「美」がなければ、いくら美しい花を見ても何も感じないはずです。
ここで、本題に戻りますが、彼に浮気疑惑があるときに、直接「あなた、浮気をしているでしょ、白状しなさい」などと言われて正直に言う人などいません。 それよりも、あいまいな言い方で、「最近、ネクタイの柄が少し変わったみたいね、何か心境の変化があったの? それに楽しそうだし」などと言えばいいのです。 そうすると、「このネクタイは、あの有名な店で買ったんだよ」と言えば、すぐさま「ふん、誰が選んでくれたの?」と聞けば、ポロリと白状してしまうか、口ごもってしまうことでしょう。
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