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恋愛中の男女が、ケンカに直面するのはやむを得ないことでしょう。 それにしても、ケンカのエスカレートに伴い、最終的に「無視」でケンカを打ち切る男性が多いのはなぜでしょうか? ケンカの初期段階では、男性もなんらかのサインを出しています。ところが、一切の反応をしなくなり、会話を断ち切って「無視」をするのです。
ワシントン州立大学心理学部名誉教授のジョン・ゴッドマン博士の分析によると、ケンカがエスカレートすると男性は心拍数が上がり、「無視」という行動に入る直前には心拍数が100を超えているようです。心拍数が100を超えると、アドレナリンが大量に流れ出し、血液の流れが速くなったり、血圧が上昇したりします。 こうなると、知的な反応や理性的な判断ができなくなります。他人とのコミュニケーションを避けたくなるのも、当然でしょう。 また「無視」という行動に出る男性はケンカ中に「やりかえしてやる!」「こんなことを言われてたまるか!」という攻撃的な感情を抱くことが多いということも分かっています。
これには進化の過程で男性に刻み込まれた行動が影響しているようです。 原始時代、男性は狩猟担当だったので、つねに警戒心を働かせていなければならなかった。 そして、獲物と境遇すると、仕留めるまで攻撃の手を緩めず戦います。狩りが終わっても、別の敵が来ないよう、周囲を警戒していなければならなかったでしょう。 このため男性の体は、素早く警戒態勢に入り、すぐ攻撃に移れるよう適応していて、逆に一旦、警戒モードになるとそれが長時間持続され、なかなか解除されないのです。
これを現代の男女間のケンカに置き換えてみましょう。 ケンカが始まると、男性はすぐさま警戒モードになります。そして、ケンカが激しくなるにつれ、闘争本能に火がつきます。攻撃的感情が生じて、バリバリの戦闘態勢です。このままでは、実際に女性を攻撃してしまうかもしれない。男性はギリギリのところでそれを回避するために「無視」という行動に出るわけです。 しかし「無視」された女性側は絶望感を味わうことになります。 「無視」が男女間の溝を非常に深めてしまう行為だということを、男性は肝に銘じておこう。 もちろん、女性側にも、男性の心拍数が100を超えるまで追い詰めないという心気張りも必要でしょう。
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